1. 新機構団信とは
新機構団信とは、住宅金融支援機構が幹事生命保険会社を決めて住宅金融支援機構が保険契約者、フラット35を利用の住宅ローンの利用者を被保険者として被保険者団体を構成し、住宅ローンの返済中に一定の事由が発生した場合に、保険金が支給され、それ以降の住宅ローンの弁済に充てられる保障制度です。
2. 保障内容
新機構団信、連生団信及び新3大疾病保障の保障内容は以下ようになります。
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新機構団信及び連生団信
連帯債務で新機構団信を利用した場合は、夫婦どちらかが下記事由に該当した場合、本人の負担割合に応じて保険金が支払われますが、連生団信を利用した場合は、夫婦どちらかが下記事由に該当した場合、負担割合に関係なくフラット35の残高全ての残高と同額の保険金が支払われます。
種類 |
保険金支払事由 |
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死亡保障 |
保険期間中に死亡した場合 |
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身体障害保障 |
責任開始日以後に生じた傷害または疾病が原因で、保険期間中に所定の身体障害状態になった場合 【所定の身体障害障害】 ・両眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、きょう正視力について測ったものをいう。以下同じ。)の和が0.01以下のもの ・両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの ・両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの ・両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう) ・両上肢の機能を全廃したもの ・両上肢を手関節以上で欠くもの ・両上肢の機能の著しい障害 ・両上肢のすべての指を欠くもの ・一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの ・一上肢の機能を全廃したもの ・両下肢の機能を全廃したもの ・両下肢の大腿の2分の1以上で欠くもの ・両下肢の機能の著しい障害 ・両下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの ・体幹の機能障害により坐っていることができないもの ・体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難なもの ・体幹の機能障害により立ちあがることが困難なもの ・不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作がほとんど不可能なもの ・不随意運動・失調等により歩行が不可能なもの ・不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作が極度に制限されるもの ・不随意運動・失調等により歩行が極度に制限されるもの ・心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・小腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・免疫の機能の障害により日常生活がほとんど不可能なもの |
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新3大疾病保障
種類 |
保険金支払事由 |
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死亡保障 |
保険期間中に死亡した場合 |
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身体障害保障 |
責任開始日以後に生じた傷害または疾病が原因で、保険期間中に所定の身体障害状態になった場合 【所定の身体障害障害】 ・両眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常のある者については、きょう正視力について測ったものをいう。以下同じ。)の和が0.01以下のもの ・両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの ・両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの ・両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう) ・両上肢の機能を全廃したもの ・両上肢を手関節以上で欠くもの ・両上肢の機能の著しい障害 ・両上肢のすべての指を欠くもの ・一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの ・一上肢の機能を全廃したもの ・両下肢の機能を全廃したもの ・両下肢の大腿の2分の1以上で欠くもの ・両下肢の機能の著しい障害 ・両下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの ・体幹の機能障害により坐っていることができないもの ・体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難なもの ・体幹の機能障害により立ちあがることが困難なもの ・不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作がほとんど不可能なもの ・不随意運動・失調等により歩行が不可能なもの ・不随意運動・失調等により上肢を使用する日常生活動作が極度に制限されるもの ・不随意運動・失調等により歩行が極度に制限されるもの ・心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・小腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの ・免疫の機能の障害により日常生活がほとんど不可能なもの |
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3大疾病保障 |
がん |
医師にがんに罹患したと診断確定された場合 |
急性心筋梗塞 脳卒中 |
急性心筋梗塞または脳卒中を発病し、その疾病により以下の①、②いずれかの状態に該当した場合 ①医師の診断を受けた日から60日以上下記の状態が継続したと診断された場合 急性心筋梗塞:労働の制限を必要とする状態 脳卒中:言語障害、運動失調、まひ等の他覚的な神経学的後遺症が継続した状態 ②治療を直接の目的として所定の手術を受けたとき |
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要介護状態保障 |
公的介護保険制度の要介護2から5までのいずれかに認定されたとき、または保険会社所定の要介護状態に該当した時に保険金が支払われます。 |
民間金融機関が提供する住宅ローンの一般団信に相当するのが新機構団信で、3大疾病保障に相当するのが新3大疾病保障です。下記図の通り、両者を比較すると、新機構団信の方が保障内容が充実しています。
まず、民間金融機関が提供する住宅ローンの一般団信とフラット35の新機構団信は、死亡以外の保険金支払事由が異なります。一般団信では高度障害ですが、新機構団信では身体障害です。身体障害とは身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級又は2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けた時に保険金が支払われます。下記表の通り、高度障害に比べると相当広い範囲のリスクに対応しています。
保険金支払事由 |
区分 |
高度障害 |
身体障害 |
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失う |
高度障害 |
○ |
☓ |
中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する(要介護5に該当) |
高度障害 |
○ |
☓ |
胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する(要介護5に該当) |
高度障害 |
○ |
☓ |
両眼の視力を全く永久に失う |
身体障害1級 |
○ |
○ |
両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失う |
身体障害1級 |
○ |
○ |
両下肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失う |
身体障害1級 |
○ |
○ |
1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失なったかまたはその用を全く永久に失う |
身体障害1級 |
○ |
○ |
1上肢の用を全く永久に失い、かつ1下肢を足関節以上で失う |
身体障害1級 |
○ |
○ |
心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの(ペースメーカーに絶対的に依存している、人工弁が必要になる) |
身体障害1級 |
☓ |
○ |
じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
身体障害1級 |
☓ |
○ |
呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
身体障害1級 |
☓ |
○ |
ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
身体障害1級 |
☓ |
○ |
小腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
身体障害1級 |
☓ |
○ |
免疫の機能の障害により日常生活がほとんど不可能なもの、また免疫の機能の障害により日常生活が極度に制限されるもの |
身体障害1級又は2級 |
☓ |
○ |
体幹の機能障害により坐っていることができないもの、体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難なもの、体幹の機能障害により立ちあがることが困難なもの |
身体障害1級又は2級 |
☓ |
○ |
両眼の視力の和が0.04以下のもの、もしくは両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの |
2級 |
☓ |
○ |
両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの(両耳全ろう) |
2級 |
☓ |
○ |
両上肢の機能の著しい障害、すべての指を欠くもの。また一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの、機能を全廃したもの。 |
2級 |
☓ |
○ |
両下肢の機能の著しい障害、すべての指を欠くもの。また一下肢を上腕の2分の1以上で欠くもの、機能を全廃したもの。 |
2級 |
☓ |
○ |
呼吸器の機能に著しい障害を永久に残し、酸素療法を受けたもの |
1級 |
☓ |
○ |
腎臓の機能を全く永久に失い、人工透析療法または腎移植を受けたもの |
1級 |
☓ |
○ |
民間提携金融機関が提供する住宅ローンの3大疾病保障とフラット35の新3大疾病保障の違いは、新3大疾病保障には要介護保障がついているという点です。新3大疾病保障の要介護保障とは、公的介護保険制度による要介護2から要介護5のいずれかに該当する時に保険金が支払われます。公的介護保険制度による要介護2から要介護5の具体的内容は、下記表の通りです。
要介護2 |
軽度の介護を必要とする状態 食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。衣服の着脱はなんとかできる。物忘れや直前の行動の理解の一部に低下が見られることがある。 |
要介護3 |
中等度の介護を必要とする状態 食事や排泄に一部介助が必要。立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできない。入浴や衣服の着脱などに全面的な介助が必要。いくつかの問題行動や理解の低下が見られることがある。 |
要介護4 |
重度の介護を必要とする状態 食事にときどき介助が必要で、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要。立ち上がりや片足での立位保持などがひとりではほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下が見られることがある。 |
要介護5 |
最重度の介護を必要とする状態 食事や排泄がひとりでできないなど、日常生活を遂行する能力は著しく低下している。歩行や両足での立位保持はほとんどできない。意思の伝達がほとんどできない場合が多い。 |
3. 上乗せ金利
新機構団信:新機構団信無しのフラット35の借入金利+0.20%
デュエット(夫婦連生団信):新機構団信付きのフラット35の借入金利+0.18%
新3大疾病付機構団信:新機構団信付きのフラット35の借入金利+0.24%
今月の新機構団信のコストを反映した各金融機関の住宅ローン金利はこちらです。
4. 注意すべきポイント
(1) 一般的な金融機関の団信制度と保障内容が異なる。
一般的な金融機関と比べ、高度障害保障が身体障害保障になったり、3大疾病保障に要介護状態保障がついたりなど、保障内容が異なります。しっかりと保障内容の差を確認しましょう。
(2) フラット35のみでしか利用できない。
フラット35での利用のみですので、他の金融機関の変動金利プランなどと比べると高い金利になります。フラット35で高い保障内容をつけたい方にはおすすめですが、金利を抑えたい方は他の金融機関も検討することをおすすめします。
(3) ワイド団信がない
新機構団信には引受基準を緩和したワイド団信がありません。そのため持病をお持ちの方は加入できない可能性があります。しかしフラット35の場合、団信への加入は任意ですので、団信に加入できなくても住宅ローンを借り入れることができます。
5. その他
新機構団信制度は一般的な金融機関の団信制度より幅広い保障内容であり、新3大疾病付機構団信はりそな銀行の「団信革命」に匹敵する保障内容となっています。
保障内容の差は以下の表のようになります。
このように、ほとんど団信革命と同じような内容となっています。かつ団信革命は上乗せ金利は+0.25%(金利優遇あり)ですので、団信単体で考えると新3大疾病付機構団信はお得な団信となっています。
6. まとめ
以上のように新機構団信制度はフラット35で利用できる団信制度で、一般的な金融機関の団信制度に比べ幅広い保障内容が特徴です。また新3大疾病付機構団信はりそな銀行の「団信革命」に匹敵する保障内容となっているため、フラット35を利用したい方で保障内容を充実させたい方におすすめの団信となっています。
モゲチェックでは団信を下記5つの種類に分けて、団信コストを反映した金利でのランキングを用意しています。自分に合った団信でかつ最も金利の低い住宅ローンを探すことができます。
種類 |
内容 |
一般 |
一般団信+無料の疾病団信 |
ワイド |
加入条件が緩和された団信 |
がん− |
がん100%保障未満の疾病団信 |
がん |
がん100%保障以上の最もライトな疾病団信 |
がん+ |
がん100%保障+αの疾病団信 |
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