1. 税控除
住宅ローンは、住宅借入金等特別控除(以下、住宅ローン控除)により、借り入れ時より10年間に渡り毎年の住宅ローン残高の1%に相当する金額について所得税控除が受けられます。
仮に0.4%の金利の住宅ローンを借りていたとすると、金利として0.4%を支払う一方、所得税の控除として1%税金が還付されるため、差し引き0.6%お金がもらえたことになります。これが、住宅ローン金利が実質的に0.6%のマイナス金利になっているということです。住宅ローン金利、住宅ローン控除及び実質金利をグラフにすると以下の通りになります。
2. 団信
住宅ローンには団体信用生命保険(以下、団信)という保険が付いており、死亡又は高度障害になると保険金が下りて住宅ローンが完済されます。
その保険金が下りる確率=死亡率は歳と共に上昇します。男性だと50代後半に死亡率が0.5%を超えています。仮に住宅ローンの金利が0.4%だとすると、住宅ローンの金利以上に団信によってローンが完済される確率の方が高くなります。つまり、これも実質的に住宅ローン金利がマイナス金利だということです。ある年齢で死亡率が住宅ローン金利を上回るというかつて住宅ローン金利が5%以上だった頃からは考えられえない状況が今生じているのです。住宅ローン金利、死亡率(男性)及び実質金利をグラフにすると以下の通りになります。
※死亡率は厚生労働省「平成29年簡易生命表の概況」より引用
3. 金利分析
上記の税控除と団信のメリット両方を考えると、下図の通り、30歳で借り入れ、65歳で完済する返済期間の場合、返済期間のほとんどでマイナス金利だということが分かります。特に元本が大きい借り入れ直後の10年間の税控除の効果は大きく、住宅ローンの当初借り入れ額を3,000万円、金利を0.4%とすると、金利支払額の合計が約215万円、税控除が約260万円、団信のメリットが約86万円となり、税控除と団信のメリットの合計が金利支払額を約130万円上回ります。この金額は金利に換算すると約0.24%、まさに住宅ローン利用者は-0.24%のマイナス金利のローンを借りていることになるのです。
4. マイナス金利時代の住宅ローンの借り方
マイナス金利の住宅ローンはどのように利用すべきでしょうか。利用方法を下記の通りまとめました。
1.できるだけ多く借りる
住宅ローンを借りてお金がもらえる状態がマイナス金利の状態です。であれば、できるだけ多く借りた方が得になります。住宅ローンの審査上は自己資金を入れた方が望ましいですが、預金があることを金融機関に示すことで審査上自己資金を用意する場合と同等の効果を得ることは可能です。
2.変動金利で借りる
所得税控除が住宅ローン残高の1%なので、住宅ローン金利がそれより低くないとマイナス金利にはなりません。今後金利上昇リスクが限定的な中、できるだけ低い金利で借りるため変動金利で借りることをおすすめします。
3.繰上返済はしない
少なくとも借り入れから住宅ローン控除が使える10年間は繰上返済をしてはいけません。まだ残高も大きく、マイナス金利なので、できるだけその状態を維持すべきです。一旦繰上返済するとそれを取り消すことはできません。
モゲチェックでは団信を下記5つの種類に分けて、団信コストを反映した金利でのランキングを用意しています。自分に合った団信でかつ最も金利の低い住宅ローンを探すことができます。
種類 |
内容 |
一般 |
一般団信+無料の疾病団信 |
ワイド |
加入条件が緩和された団信 |
がん− |
がん100%保障未満の疾病団信 |
がん |
がん100%保障以上の最もライトな疾病団信 |
がん+ |
がん100%保障+αの疾病団信 |
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